おじいちゃんが、がんになっちゃった(その6) !!
(承前)
漸く念願が叶い、おじいちゃんは、兵庫県立粒子線センターを正式に受診することができました。
当センターの副院長からは、再度、前回セカンドオピニオン外来の時とほぼ同じ説明(↓ご参照ください)があり、その他具体的な治療計画のロードマップが示されました。
ただし、治療開始前に
- 現在継続しているホルモン療法を約6月継続すること
- 事前に直腸内視鏡検査を行って直腸に問題がないことを確認しておくこと
と指示がありました。
ちなみにホルモン療法とは、ひらたくいいますと、女性ホルモンを体内に取り込む療法です。薬で飲んだり、注射をしたり。
でも副作用がありまして、女性っぽくなってしまうんです。実際おじいちゃんは肌がツヤツヤ、お目目パッチリ、ま、これは特に問題ないのですが、お乳が若干垂れてきました。よしもと新喜劇でいう、桑原和男のおばあちゃんのようなお乳を想像してみてください。(って関西以外の人、わかるかなぁ~)
2.について、直腸に病変が認められる場合、陽子線照射によりさらに悪化する可能性が高く危険なので、予め直腸に病変がないか確認しておく必要があります。
実際、おじいちゃんは懇意にしていた胃腸科に1日入院し、内視鏡検査を行いました。実は、その時、良性のポリープが数か所発見され、即摘出していただいたのです。
なお、この場合注意が必要で、ポリープの摘出時にクリップで止血を行うのですが、金属製のクリップを使用することは陽子線治療を行ううえでNGとのことです。ほか、例えば大腿骨に金属のボルトが入っている、という場合などもNGだそうです。
(この点については、センターから胃腸科の先生あて注意事項が記載された資料をいただけますので特に患者から説明を行う必要はありません。)
おじいちゃんは、ホルモン療法を今年2月下旬ごろから始めています。よって陽子線照射は、開始時期は8月下旬ごろと設定されました。
そして照射は計37回にわたるという超長丁場なスケジュールです。
※当センターでは入院施設はありますが、患者さんが全国各地からいらっしゃるし、各患者さんの状態もかんがみて優先度の高いかたで満床とのことでした。よって、おじいちゃんは当センターの連携病院を紹介してもらって、そこで入院し、そこから当センターに通う形をとることになったのです。
なお、治療開始約1週間前に2日間ほど、検査などのために当センターに通院が必要でした。
検査内容は当センターにおける画像診断(MRI)、血液検査(PSA値測定)、尿検査など。
特に陽子線照射前には膀胱にお水をためて膨らませ、膀胱に陽子線が当たる範囲をできるだーけ小さくする必要があるのですが、この検査時におじいちゃんが陽子線照射直前に飲むべき水の量を算出していただきました。結果は約200mlでした。
ちなみに直腸は、陽子線照射前にきちんと排便しておくことで陽子線が当たる範囲を小さくすることができます。
その他、照射台(ベッド)へのおじいちゃん専用固定具の作成、照射位置の設定(お腹に1か所、左右大腿骨あたりに各1か所、照射位置にマジックでマーキングされます。このマーキングが消えないように常に気をつけなけばなりません。お風呂に入って薄く消えかからないよう、マジックで上書きするなど注意せねばなりません。)などが行われました。
いやぁ~いろいろありまして、やっと今週からおじいちゃんは本格的に当センターで治療を受けることができるようになりました。このドタバタは昨年末から始まってますので約9か月も待ちました。9か月もです。ま、デラーズ閣下やアナベル・ガトーは「3年待ったのだ!」と嘆いていましたが、それと比べりゃ、3分の1以下やん、とちょっとガンオタ(癌オタではありませんよ!)ぶりを披露しておきまして、とりあえずは、
GOOD LUCK !! おじいちゃん!!
FORZA!! おじいちゃん!!
37回の照射が終わったころにまた、みなさんに良い結果をお届けしたいと思います。
あと、これからいろいろと保険請求などもしていかなければなりません。これは保険適用外の治療で高額なんです。おじいちゃんは高度先進医療をカバーする特約には入っていませんでしたがなんとかお金の工面はめどが立っています。そういった点なども結果をできる限りお伝えしていけたらと思います。